Marking

50P
mixed
1986

Salon D' Automne


Grand Palais
des Champs-
Elysees
Paris
具体的な経験イメージ(むしろこれは詩の宝庫とも言えるですが)からどうしても抜け出ることが出来なかった時期から脱して,ようやくいろいろなシンボルや抽象的イメージの中をおぼつかなく歩けるようになったころの作品のひとつです.
 国内の名も知られていないような小さな地方の公募展ですら受け入れられなかったのに,思い切って出品した(
欧州美術クラブが献身的な労をとってくれました)フランスのメジャーなサロン;サロンドオトンヌでは初回から好意的で驚きました.作品は一見油絵風に見えますが,ベニヤ板の上に水溶性のペイントで描かれています.なじみの記号が向かって左側で荒々しく踊っていますが,どこか腐った魚のようなイメージとの組み合わせがMarkingを解く鍵のようにも見えます.しかし,こういった解釈は余計なものかもしれません.暗い闇の中から浮かび上がる不思議なオブジェクト,絢爛たる記号・・